経済的損失が1兆円との試算もあるくらい毎年猛威をふるっている花粉症。今まで大丈夫だったのに、今年はなんだか目が痒い、鼻がムズムズするというかたもおられるのではないでしょうか。
今回は花粉症の薬の中でも飲み薬についてまとめます。花粉症の飲み薬と言っても非常に多くの商品があるので、何が良いのかわからないかたのために薬を選ぶ時のポイントを記しておきます。
注意点
花粉症の薬の効き方、眠気など副作用の出やすさは個人差があり、同じ薬でもAさんにはよく聞くけどBさんには全然効かない、もしくはAさんが飲んでも全然眠くならないのにBさんは眠気が強く出る、などということがある程度の頻度で起こりますので、このまとめは自身に合う薬を探すための参考にしていただければ幸いです。
花粉症の薬の種類
花粉症の薬で薬局やドラッグストアで市販されている薬は多くが抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代の2種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。
第一世代抗ヒスタミン薬
・比較的低価格
・速効性がある
・鼻づまりには効果が無い
・眠気が強く出る
第二世代抗ヒスタミン薬
・比較的高価
・効果が現れるまで時間がかかる
・鼻づまりにも効果がある
・眠気が比較的少ない
どちらがよく使われているかと言うと、圧倒的に第二世代ヒスタミン薬です。花粉症の医師が使いたい花粉症の薬のランキング(花粉症の医師に聞く「自らが服用する薬は何ですか」:日本経済新聞 )をみると、
1.アレグラ
2.ザイザル
3.アレロック
4.アレジオン
5.クラリチン
6.タリオン
となっており、1~6位まですべて第二世代がランクインしています。この結果をふまえると、自分に合った花粉症薬がまだ分からない場合は、まずは第二世代の方を選択する方が安心感があると言えます。
おすすめの花粉症の薬
では、効果が期待できて、眠気が少ない、利便性が高いという観点でオススメの順に市販薬をみていきたいと思います。生じる眠気の強さについては文献[Pharmacol Ther. 2007 Jan;113(1):1-15.]を参考にしています。
1.アレグラFX(久光製薬)
【第1類医薬品】アレグラFX 14錠
有効成分のフェキソフェナジン塩酸塩が花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日2回朝夕に服用します。医療用のアレグラと同成分・同用量で、最も眠気が出にくい薬です。医師も自ら服用したいランキングNo.1の成分ですし、一番のおすすめです。
2015年11月1日にネット販売が不可の要指導医薬品からネット販売が可能な第一類医薬品に移行したため、通販も可能となっています。
2.アレジオン20(エスエス製薬)
有効成分のエピナスチン塩酸塩が花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日1回就寝前に服用します。医療用のアレジオンと同成分・同用量で、アレグラの次に眠気が出にくい薬です。
医師も自ら服用したいランキングは市販薬の中ではアレグラに次ぐNo.4の成分です。
3.ストナリニZ(佐藤製薬)
有効成分のセチリジン塩酸塩が花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日1回就寝前に服用します。医療用のジルテックと同成分・同用量で、眠気が出にくい薬です。
2016年2月1日にネット販売が不可の要指導医薬品からネット販売が可能な第一類医薬品に移行したため、通販も可能となっています。
3.コンタック鼻炎Z(グラクソ・スミスクライン)
ストナリニZと同じ有効成分のセチリジン塩酸塩が花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日1回就寝前に服用します。医療用のジルテックと同成分・同用量で、眠気が出にくい薬です。
2016年2月1日にネット販売が不可の要指導医薬品からネット販売が可能な第一類医薬品に移行したため、通販も可能となっています。
4.スカイナーAL錠(エーザイ)
有効成分のアゼラスチン塩酸塩が花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日1回就寝前に服用します。医療用のアゼプチンと同成分・同用量です。アレグラやアレジオンと比べると眠気が出やすいです。
5.エバステルAL(興和)
エバステルAL【要指導医薬品】
有効成分のエバスチンが花粉、ハウスダスト(室内塵)によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー症状を和らげます。
1日1回就寝前に服用します。医療用のエバステルと同成分ですが、用量が5mgと、通常成人使われることが多い10mgの半分のなので効果が若干穏やかになるかもしれません。10mgでもアレグラやアレジオンに次いで眠気が出にくい薬です。
2016年2月時点では要指導医薬品のため、ネットでの通販はできませんので、薬局・ドラッグストアで薬剤師との対面販売で購入する必要があります。